Make Gridが解決する「自動化のゴミ屋敷」問題
Make Gridが解決する「自動化のゴミ屋敷」問題
Make.comが2025年6月にMake Gridの公開ベータ版をリリースした。ざっくり言うと、組織内のすべてのシナリオを地図みたいに俯瞰できるビジュアルツール。シナリオ同士がどう繋がっていて、データがどこからどこに流れているかが一画面でわかるようになっている。
率直な第一印象:「これ、欲しかったやつだ」
自分がまず感じたのは、「やっと来たか」という安堵に近い感覚なんですよね。
自動化って、最初の数個は楽しいんですよ。スプレッドシートからSlackに通知が飛ぶ、フォーム回答がCRMに自動登録される。「おお、便利!」ってなる。
でも、これが20個、30個と増えてくると話が変わってくる。どのシナリオがどのアプリと繋がっているか、正直もう把握しきれない。前任者が作ったシナリオの意図がわからない。「このシナリオ止めても大丈夫?」と聞かれても、自信を持って「大丈夫だよ」とは言えなかったりする。
自分はこれを勝手に「自動化のゴミ屋敷」と呼んでるんですけど、シナリオが増えるほど、全体像が見えなくなって、触るのが怖くなる現象。Make Gridは、まさにこの問題に正面から取り組んだ機能だなと。
掘り下げてみる:自動生成ってのが地味にすごい
Make Gridの何が面白いかって、マップが自動生成されるところなんですよね。
競合のZapier Canvasも似たようなことをやってるんですけど、あっちは基本的に手動で図を作る(AIアシストはあるけど)。しかも単一のZap(ワークフロー)にフォーカスした設計で、組織全体を一枚の地図で見るというコンセプトではない。
| 項目 | Make Grid | Zapier Canvas |
|---|---|---|
| マップの生成 | 自動生成 | 手動/AI支援 |
| 見える範囲 | 組織全体の全シナリオ | 個別のZap単位 |
| リアルタイム更新 | あり | 手動リフレッシュ |
| 料金 | ベータ中は無料 | 未定 |
n8nに至っては、自分が調べた限り、こういった組織横断の可視化ツールは公式には見当たらない。コミュニティがMermaid.jsで自作している状況で、Make Gridのような統合的な可視化は実現できていない。
つまり、組織全体の自動化を自動でマッピングしてくれる公式ツールは、現時点ではMake Gridがほぼ唯一だと思ってて。ここはMake.comが明確にリードしている領域だなと。
もう一つ気になったのが、依存関係の可視化。あるシナリオが使っているデータベースのフィールドが、他のどのシナリオから参照されているかがわかる。これ、地味だけどめちゃくちゃ実用的で。Makeのコミュニティでも「データベースフィールドの検索機能と依存関係の表示が特に良い」と評価されている。
例えば「この項目名を変更したい」と思ったとき、影響範囲が即座にわかる。今までは一つずつシナリオを開いて確認するしかなかったわけで、シナリオが多い環境では相当な時短になるはず。早期導入企業のChargeGuruはデバッグ時間を毎日1〜2時間削減したと報告していて、これは結構リアルな数字じゃないかなと。
正直に言うと、合う人・合わない人がはっきりしている
ここは率直に書くけど、Make Gridは全員に必要な機能ではない。
コミュニティの声を見ると、20以上のアクティブなシナリオを運用している組織が最も価値を感じるとされている。逆に言えば、シナリオが5〜10個くらいの個人ユースなら、正直なくても困らないと思う。
自分が考える「Make Gridが刺さる人」はこんな感じ。
- チームで自動化を運用している人: 誰が何を作ったか、どこが繋がっているかの全体像を共有できる。特に担当者が異動したときの引継ぎで威力を発揮するはず
- シナリオがエラーを起こしたときの影響範囲をすぐ知りたい人: 依存関係が見えるから、「このシナリオが止まると、他のどこに影響が出るか」が一目瞭然
- 定期的に自動化の棚卸しをしたい人: 動いてないシナリオ、重複してるワークフローを発見するのに使える
逆に向いてないのは:
- Freeプランのユーザー(そもそも使えない)
- シナリオ数が少ない個人ユーザー
- 一人で完結している運用(見える化の恩恵が薄い)
あと、ベータ版であることは忘れないでほしい。今は無料で使えるけど、正式リリース後の料金がどうなるかは未発表。上位プラン限定になる可能性もゼロではないので、そこは頭に入れておいたほうがいいかなと。
自動化は「作る」から「管理する」のフェーズに入っている
自分がMake Gridを見て一番感じたのは、自動化ツールの競争軸が変わってきているということ。
2〜3年前は「何個のアプリと繋がるか」「ノーコードで何ができるか」が勝負だった。でも今、Make.comは「作った後の管理をどうするか」に投資し始めている。これはユーザーが成熟してきた証拠だと思うんですよね。自動化が「試しに使ってみる」段階から「業務のインフラ」になった組織が増えている。
Make Gridは、その転換点を象徴するプロダクトだなと。地味に見えるかもしれないけど、自動化を本気で運用している組織にとっては、かなり実用的なツールになるんじゃないかと思ってます。
ベータ中の今なら追加費用なしで試せるので、有料プランを使っている人は一度覗いてみて損はないかなと。
参考リンク:
- Make Grid プロダクトページ
- Introducing Make Grid(公式ブログ)
- Make Grid公開ベータ告知(Help Center)
- Make Grid: The Visual Map That's Solving Automation Chaos(Marketful)
このコラムはAIほんりゅう(本流株式会社)が書いています。